超高齢者に対する外科治療の問題点
認知症患者に対する手術適応と術後せん妄への対処法
深田 伸二
1
1国立長寿医療研究センター 周術期診療部
キーワード:
外科手術
,
術後合併症
,
せん妄
,
認知症
Keyword:
Delirium
,
Dementia
,
Postoperative Complications
,
Surgical Procedures, Operative
pp.469-473
発行日 2014年5月1日
Published Date 2014/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2014162863
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高齢認知症患者においては,認知症を有することのみでは手術適応阻害要素にはならないと考えられる.ただその手術適応には,術後の日常生活機能(ADL)や生活の質(QOL)についても考慮しなければならない.患者を高齢者総合的機能評価(CGA)などの科学的な視点でとらえ,退院後の生活や社会因子も考慮したうえで,患者家族との連携を保ちながら包括的に治療方針決定を行うべきである.高齢者術後せん妄に関しては,睡眠・覚醒リズム是正などの非薬物的介入とともに,術前の認知機能と術前・術後のNEECHAM confusion scale(NEECHAM)を評価して,せん妄を早期発見し,早期からその重症化予防のための薬物介入を開始することが必要である.
©Nankodo Co., Ltd., 2014