臨床と研究
直腸癌における一時的回腸瘻閉鎖術の検討
宗像 慎也
1
,
秦 政輝
,
小島 豊
,
五藤 倫敏
,
冨木 裕一
,
坂本 一博
1順天堂大学 下部消化管外科
キーワード:
回腸造瘻術
,
術後合併症
,
腸閉塞
,
直腸腫瘍
,
入院期間
,
吻合術
,
外科的ステープリング
,
後向き研究
,
低位前方切除
Keyword:
Anastomosis, Surgical
,
Ileostomy
,
Length of Stay
,
Intestinal Obstruction
,
Postoperative Complications
,
Retrospective Studies
,
Rectal Neoplasms
,
Surgical Stapling
pp.187-191
発行日 2014年2月1日
Published Date 2014/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2014122290
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
2006年6月~2012年8月に回腸瘻閉鎖術を施行した52例(男36例、女16例)を対象に手縫い吻合術(Albert-Lembert吻合)28例(男20例、女8例、年齢67歳)と器械吻合術(機能的端々吻合)24例(男16例、女8例、年齢62歳)の2群に分けて後ろ向きに検討した。その結果、1)年齢、性別で両群間に有意差はなく、閉鎖までの期間は器械吻合群が有意に短く、Original operationでは手縫い吻合群は低位前方切除術(LAR)が有意に多く、手術時間、術中出血量では有意差を認められなかった。2)術後合併症は手縫い吻合群6例、器械吻合群0例で、再手術を必要とした症例は手縫い吻合群に4例でみられた。再吻合を行った症例は回腸瘻閉鎖部位以外の原因による腸閉塞2例であり、腸閉塞は器械吻合群で有意に少なかった。3)創部感染は手縫い吻合群に2例に認められたが有意差はなかった。また、術後在院日数は手縫い吻合群が有意に長かった。4)術後に腸閉塞を来した腸閉塞群6例(男1例、女5例、年齢59歳)と非腸閉塞群46例(男30例、女16例、年齢64歳)の比較では、手術時間や出血量に関係なく吻合法に有意差がみられた。尚、腸閉塞群は術後在院期間が延長していた。
©Nankodo Co., Ltd., 2014