発行日 2013年12月1日
Published Date 2013/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2014042099
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症例は25歳女性で、妊娠15週1日に上腹部痛で近医にて急性胃炎の診断で内服加療を受けるも改善せず、紹介受診した。上腹部の痛みは右下腹部に移動し、圧痛と反跳痛を認め、WBC 15100/μlと核の左方移動を認めた。超音波で盲腸背側に壁肥厚を伴う11mmに腫大した虫垂を認め、MRIでは盲腸背側を上行する径12mmに腫大した虫垂を認めた。急性虫垂炎の診断で緊急に腹腔鏡下手術を行った。虫垂は炎症により傍結腸窩に埋もれる様に癒着して腫大し、周囲に膿汁を認めた。癒着を剥離して虫垂を遊離後に虫垂間膜を処理し、根部はENDOLOOPで結紮して切離した。摘出標本は長さ85mm、最大径15mmで周囲に膿苔を伴い、ところどころ暗赤色に変化した虫垂壁は浮腫性に肥厚し、粘膜には広範に潰瘍形成を認めた。病理所見では、全層性に好中球浸潤を認め、壁の穿孔を伴っており、穿孔性虫垂炎と診断した。術後に子宮収縮は認めず、合併症もなく術後5日目に退院した。
©Nankodo Co., Ltd., 2013