発行日 2013年3月1日
Published Date 2013/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2013191396
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胆嚢結石症や胆嚢ポリープに対し単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術を行った10例の手術成績を検討した。手術は補助的なポートや鉗子などを使用せずに、安定した手術野を提供する腹腔内臓器牽引器具であるエンドグラブシステムを使用した。全例で手術は完遂でき、胆嚢の把持や挙上も可能であった。手術時間は平均68分で、出血量は少量、術後在院期間は中央値3日であった。エンドグラブを前腹壁の腹膜あるいは横隔膜へ固定する際、少量の出血を認めた症例もあったが、止血操作を加えることなく自然止血した。また、術中にエンドグラブが自然に脱落することはなく、胆嚢損傷による胆汁漏出もなかった。操作は比較的簡便で、手術に支障をきたす偶発症や合併症はなかった。エンドグラブを操作あるいは回収する際、両端のクリップ対側のフックで腹腔内臓器を引っ掛けることがあったが、臓器損傷はなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2013