発行日 2007年2月1日
Published Date 2007/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2007121197
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17歳女。下痢、発熱を主訴とした。5日前に右下腹部の圧痛および血液検査にて炎症反応を認めたため急性虫垂炎と診断しセフォチアムにより一旦は改善していた。腹部の圧痛は認めず、感染性腸炎もしくは抗菌薬関連下痢症の疑いで抗菌薬をレボフロキサシンに変更しビオスリーを投与した。翌日、炎症反応の上昇を認め、腹部CTでは直腸からS状結腸にかけての壁肥厚と周囲の脂肪織濃度の上昇を認めたが、糞便中のClostridium difficile抗原およびトキシンAは陰性であった。その後、臨床症状の改善がみられ、糞便培養検査でC.difficileが検出されたため、C.difficile関連下痢症と診断してレボフロキサシンを中止し、経過良好にて発症から9日後に退院した。細菌学的検索により検出されたC.difficileはtoxinA陽性toxinB陽性株であったことから、培養法の重要性が認識された。
©Nankodo Co., Ltd., 2007