膵癌update 2012
治療 最新の外科治療 膵体尾部切除のエビデンス
高橋 亮
1
,
平野 聡
,
山吹 匠
,
野路 武寛
,
村上 慶洋
,
海老原 裕磨
,
松本 譲
,
加藤 健太郎
,
土川 貴裕
,
七戸 俊明
,
田中 栄一
1北海道大学 消化器外科II
キーワード:
術後合併症
,
膵切除
,
膵臓腫瘍
,
膵瘻
,
生存率
,
腹腔動脈
,
EBM
,
治療成績
Keyword:
Celiac Artery
,
Pancreatectomy
,
Pancreatic Fistula
,
Pancreatic Neoplasms
,
Postoperative Complications
,
Survival Rate
,
Treatment Outcome
,
Evidence-Based Medicine
pp.514-517
発行日 2012年5月1日
Published Date 2012/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2012223264
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膵体部癌は症状が出現しがたいため、診断時にはすでに高度に進行していることが多く、もっとも予後不良な疾患の一つである。遠隔転移や局所進展が高度でない症例に対する定型手術として膵体尾部切除術が行われてきたが、肝転移や局所・腹膜再発のためその成績は不良である。一方、これまで非切除因子とされてきた総肝動脈、腹腔動脈や周囲神経叢浸潤陽性例に対する拡大手術として、腹腔動脈合併尾側膵切除術(DP-CAR)が行われるようになってきた。本術式は徹底した局所制御を目的とし、R0手術が行われたならば術後成績は比較的良好である。局所再発予防の観点からは、従来膵体尾部切除を行っていた症例のうち、DP-CARを適応すべき症例の選択も検討されていくべきと考える。
©Nankodo Co., Ltd., 2012