神経内分泌腫瘍(NET)のすべて
診断 神経内分泌腫瘍(NET)の病理診断
笹野 公伸
1
,
笠島 敦子
1東北大学 病理診断学
キーワード:
免疫組織化学
,
Ki-67抗原
,
神経内分泌腫瘍
,
腫瘍悪性度
,
Somatostatin Receptor 2
,
WHO分類
Keyword:
Immunohistochemistry
,
Ki-67 Antigen
,
Neuroendocrine Tumors
,
Neoplasm Grading
,
Somatostatin Receptor 2
pp.813-818
発行日 2011年8月1日
Published Date 2011/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2011299303
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神経内分泌腫瘍(NET)の病理組織診断は以下の三つのステップを経ることが重要となる。第一には通常のHE染色の病理組織所見で神経内分泌への分化を疑い、その後クロモグラニンA、シナプトフィジンの免疫組織化学で検索をすすめる。NETの診断がついた後に、その症例の生物学的悪性度を検討する必要がある。2010年の新しいWHO分類に準拠し現在はNETG1、G2、neuroendocrine carcinoma(NEC)G3と分類するが、この病理組織学的分類に際してもKi-67の免疫組織化学を行い、その標識率を算出することが肝要である。最後にNETの治療との関係で主にはG1、G2例ではoctreotideの治療標的であるソマトスタチン受容体(SSTR)を検討する必要がある。
©Nankodo Co., Ltd., 2011