消化器手術における抗菌薬の適正使用
特殊な感染症に対する抗菌薬の適正使用 多剤耐性Gram陰性桿菌感染症
草地 信也
1
,
浦松 雅史
1東邦大学医療センター大橋病院 外科
キーワード:
Bacteroides fragilis
,
Bacteroides Infection
,
Beta-Lactamases
,
Pseudomonas aeruginosa
,
Pseudomonas Infection
,
抗細菌剤
,
手術創感染
,
消化器外科
,
グラム陰性細菌感染症
,
医薬品適正使用
,
細菌多剤耐性
Keyword:
Bacteroides fragilis
,
Bacteroides Infections
,
beta-Lactamases
,
Anti-Bacterial Agents
,
Pseudomonas aeruginosa
,
Pseudomonas Infections
,
Digestive System Surgical Procedures
,
Surgical Wound Infection
,
Gram-Negative Bacterial Infections
,
Drug Resistance, Multiple, Bacterial
pp.605-608
発行日 2011年6月1日
Published Date 2011/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2011219002
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Gram陰性桿菌感染症は重篤化すると致死率の高いエンドトキシンショックに陥るため、消化器手術の術後感染症としても重要である。第2、第3世代セフェム系抗菌薬やカルバペネム系抗菌薬によりGram陰性桿菌感染症の頻度は減少したが、多剤耐性緑膿菌(MDRP)、基質特異性拡張型β-ラクタマーゼ(ESBL)産生多剤耐性菌などの多剤耐性Gram陰性桿菌感染症が増加している。多剤耐性Gram陰性桿菌の多くはβ-ラクタム系薬、カルバペネム系薬、キノロン系薬などに耐性で、抗菌薬療法には限界がある。これらの菌種による感染症に対する抗菌薬療法では早期に起炎菌を同定し、抗菌薬感受性、薬物動態、併用効果を考慮のうえ使用薬を選択することが肝要である。また、場合によっては本邦で市販されていない薬剤(colistin)を個人輸入するなどして入手のうえ使用せざるをえない。
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