発行日 2011年2月1日
Published Date 2011/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2011126060
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24歳女。17歳時より左乳腺腫瘍を自覚し、21歳時に初診した際には左乳頭直下に最大径45mmの腫瘤を認め、健常組織を含めた腫瘍摘出を行った。病理診断は悪性葉状腫瘍で、切離断端に腫瘍の露出があった。追加切除を予定したが拒否され、3ヵ月後に局所再発したため腫瘍摘出術を行った。初回手術より1年後に再度の局所再発を認め、皮下乳腺全摘を行い、再建術は行わなかった。切除標本に腫瘍の露出はなかったが、その後2回の再発、腫瘍摘出を繰り返し、初回手術より2年後、6回目の再発時に左前胸部の皮膚全切除、植皮を行った。初回手術より4年目までに4回局所再発し、11回目の局所再発時に胸壁切除、広背筋皮弁による胸壁再建、植皮を行った。手術所見で、左前胸部に1cmの再発を認め、腫瘍は胸壁への固定があった。左前胸部の植皮部を全切除し、その際に左第3肋骨を合併切除した。広背筋皮弁で欠損部を補填し、広背筋で覆えない外側の欠損部には植皮を行った。術後5年経過し、局所再発、遠隔転移はない。
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