発行日 2009年11月1日
Published Date 2009/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2010021263
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70歳男。恥骨後前立腺全摘出術施行の約2年後に生じた両側鼠径部膨隆を両側鼠径ヘルニアと診断した。右鼠径ヘルニアに対し根治的手術を施行したが、ヘルニア門が通常より正中に近く膀胱ヘルニアまたは腹部瘢痕ヘルニアと判断し、ヘルニア門周囲を剥離してメッシュプラグ法を施行した。4ヵ月後に左鼠径ヘルニアの手術目的で入院した。CTで前回手術時に挿入したメッシュプラグと左鼠径ヘルニアを認めた。腹腔鏡を挿入し前回手術を確認、左鼠径部、下腹壁動静脈内側にヘルニア門を認め、内鼠径ヘルニアと診断した。ヘルニア嚢は周囲と癒着しておらず還納は容易であり腹腔鏡下手術が可能と判断した。ヘルニア嚢の背側から腹膜を剥離し、ヘルニア門を確認後にメッシュ挿入スペースを作成し、腹腔前腔にComposix-Kugel Patch S-sizeを挿入して恥骨・Cooper靱帯ほかヘルニア門周囲をタッカーで固定し、腹膜縫合した。手術翌日より離床・経口摂取を開始し術後6日で退院した。
©Nankodo Co., Ltd., 2009