術前・術後に要注意 併存疾患の手術リスクと対策
特殊薬剤服用中の手術 抗血小板薬・抗凝固薬
馬場 健
1
,
平山 茂樹
,
大木 隆生
1東京慈恵会医科大学 外科学講座血管外科
キーワード:
抗凝固剤
,
硬膜外麻酔
,
心房細動
,
脊椎麻酔
,
経口投与
,
血小板凝集阻害剤
,
心筋虚血
,
静脈血栓症
Keyword:
Administration, Oral
,
Anticoagulants
,
Anesthesia, Epidural
,
Anesthesia, Spinal
,
Atrial Fibrillation
,
Platelet Aggregation Inhibitors
,
Myocardial Ischemia
,
Venous Thrombosis
pp.950-954
発行日 2010年9月1日
Published Date 2010/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2010292453
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抗血小板薬を中止することが危険な病態は、薬剤溶出性ステント留置後にそれらを投与されている患者である。一方、抗凝固薬を中止することがきわめて危険な病態は、脳梗塞発症のリスクの高い心房細動、人工弁置換、血栓塞栓症の既往などの理由で投与されている患者である。深部静脈血栓症や合併症のない心房細動は、上記の病態に比べれば血栓塞栓症のリスクは低いと考えられる。リスクの高い患者に対して外科大手術を行う場合や、内視鏡において出血の危険度が高い手技を行う場合はこれらの薬剤を中止せざるをえない。また、硬膜外麻酔や脊椎麻酔を行う際にも抗血小板薬を中止する必要がある。リスクの高い患者の抗血栓薬をやむをえず中止する際には適切な代替療法を行う必要がある。
©Nankodo Co., Ltd., 2010