術前・術後に要注意 併存疾患の手術リスクと対策
特殊薬剤服用中の手術 副腎皮質ホルモン剤 ステロイド投与患者における周術期管理
井手 健太郎
1
,
大段 秀樹
1広島大学 外科
キーワード:
Glucocorticoids
,
経口投与
,
副腎機能低下症
,
副腎皮質機能検査
,
診療ガイドライン
,
周術期管理
Keyword:
Administration, Oral
,
Adrenal Cortex Function Tests
,
Adrenal Insufficiency
,
Glucocorticoids
,
Practice Guidelines as Topic
,
Perioperative Care
pp.955-958
発行日 2010年9月1日
Published Date 2010/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2010292454
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手術侵襲は生体にとって大きなストレスであるため、生体機能を調節する重要なホルモン系である視床下部-下垂体-副腎皮質系が大きく反応する。長期ステロイド投与患者では視床下部-下垂体-副腎皮質系が抑制されているため、侵襲下における急性副腎不全発症の高リスク群である。ステロイドカバーの目的は、このような患者の周術期にグルココルチコイドを追加ないし補充投与することで急性副腎不全を防止し、手術や麻酔に起因する低血圧、ショック、死亡などを回避することであるが、その副作用である創傷治癒遷延と易感染性を念頭におき、患者の全身状態に応じた必要最小限のステロイドを投与する必要がある。
©Nankodo Co., Ltd., 2010