発行日 2009年5月1日
Published Date 2009/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2009234144
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著者らは2005~2007年に呼吸循環器疾患を併存する高齢者大腸癌6症例(平均年齢89歳)へ硬膜外併用脊椎麻酔下手術を行なった。今回、その経験を報告した。術前PSは3が5例、2が1例であった。全例がAmerican Society Anesthesiologists分類class 3以上、岩崎の分類7以上、Hugh-Jones分類3以上と高リスクであった。呼吸器疾患を5例に認め、心臓超音波検査ではejection fractionの低下を3例に認めた。疾患内訳は結腸癌3例、直腸癌2例、虫垂癌1例で、結腸切除術4例、Hartmann手術1例、Miles手術1例が施行された。手術時間は平均134.2分、出血量は平均103.5mlで、術後経過は全例良好で、術後呼吸器合併症はなかった。全例が3日以内に歩行を開始し、経口摂取も2~6日以内であった。尚、術後の在院日数は平均32日で、社会的要因等から長期間となったが、全例が食事摂取可能な状態で退院となった。
©Nankodo Co., Ltd., 2009