外科における先進医療と高度医療
CD-DST法による抗悪性腫瘍感受性試験
星野 宏光
1
,
北川 透
,
藤井 仁
,
武田 裕
,
永野 浩昭
,
土岐 祐一郎
,
森 正樹
1大阪大学 消化器外科
キーワード:
Fluorouracil
,
胃腫瘍
,
腫瘍再発
,
大腸腫瘍
,
アジュバント化学療法
,
Gimeracil
,
Dihydropyrimidine Dehydrogenase (NADP+)
,
腫瘍細胞系
,
CD-DST法
Keyword:
Fluorouracil
,
Neoplasm Recurrence, Local
,
Stomach Neoplasms
,
Colorectal Neoplasms
,
Chemotherapy, Adjuvant
,
Cell Line, Tumor
,
Dihydrouracil Dehydrogenase (NADP)
,
Gimeracil
pp.580-586
発行日 2009年6月1日
Published Date 2009/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2009200636
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抗癌薬感受性試験は最近一部が保険適用され、臨床応用も徐々にすすみだしている。当科ではcollagen gel droplet embedded culture drug sensitivity test(CD-DST)法に関して、1999年から基礎・臨床研究での検討を行っており、2004年には高度先進医療の承認を得た。これまで当科で行った研究では、基礎的検討にて、三次元培養法を用いたCD-DST法は腫瘍細胞内のDPD活性を高く維持することが可能であった。臨床的検討においては、術後にfluorouracil(5-FU)を投与した胃癌・大腸癌切除例において、5-FU感受性を認めた症例は術後再発が少なく、CD-DST法による抗癌薬感受性試験が術後補助化学療法の効果を反映しうる可能性が示唆された。現在、抗癌薬感受性試験の有用性をさらに明らかにするため、いくつかの全国規模の臨床研究も進められている。
©Nankodo Co., Ltd., 2009