外科的侵襲に対する生体反応の最新情報
外科的侵襲とサイトカイン SIRSとCARS
永田 康浩
1
,
兼松 隆之
1長崎大学 大学院移植・消化器外科
キーワード:
Cytokines
,
シグナルトランスダクション
,
遺伝子多型
,
全身性炎症反応症候群
,
Compensatory Anti-Inflammatory Response症候群
,
外科的侵襲
Keyword:
Polymorphism, Genetic
,
Signal Transduction
,
Cytokines
,
Systemic Inflammatory Response Syndrome
pp.757-761
発行日 2007年7月1日
Published Date 2007/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2007262332
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全身性炎症反応症候群(SIRS)は非特異的な全身性炎症反応であるが、その病態には炎症メディエーターであるサイトカインが深くかかわっている。生体は、外科的侵襲に対して炎症性サイトカインと、これに呼応して抗炎症サイトカインも産生する。この抗炎症サイトカインは免疫抑制へ向かう生体反応であり代償性抗炎症反応症候群(CARS)の病態にかかわっている。臨床的にはこのようなSIRSとCARSが、それぞれバランス、アンバランスとなり病態が推移し、アンバランスはやがて臓器不全から不可逆的な状態へと移行する。外科治療の目的は、両者がバランスのとれた状態(ホメオスタシス)に生体を保ち、維持することにある。
©Nankodo Co., Ltd., 2007