外科学の進歩と今後の展望
肝臓外科
國土 典宏
1
,
幕内 雅敏
1東京大学 肝胆膵外科・人工臓器移植外科
キーワード:
肝切除
,
肝臓移植
,
肝臓腫瘍
,
リビングドナー
,
近代医学史
,
超音波プローブ
Keyword:
Hepatectomy
,
Liver Neoplasms
,
Liver Transplantation
,
Living Donors
,
History, Modern 1601-
pp.422-427
発行日 2007年4月1日
Published Date 2007/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2007206111
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本庄による肝右葉切除の成功以来50数年、Tien-Yu Linによるfinger fracture法、幕内による術中超音波、系統的亜区域切除、片葉阻血法、門脈枝塞栓術、高崎によるGlisson鞘処理法などの先駆的な肝臓外科医の努力により、肝切除は出血の多い危険な手術から、安全で精緻な術式に進歩した。1990年代には生体肝移植が始まり、移植特有の技術の進歩が一般の肝臓外科へフィードバックされ、肝臓外科全体の進歩が加速される結果となった。肝臓外科のこれからの発展は、術中超音波などの画像診断と肝移植のさらなる技術開発を両輪として推進されると期待される。
©Nankodo Co., Ltd., 2007