外科学の進歩と今後の展望
大腸外科
杉原 健一
1
1東京医科歯科大学 大学院腫瘍外科学
キーワード:
肝切除
,
外科用ステープラー
,
大腸内視鏡法
,
腫瘍多剤併用療法
,
消化器外科
,
大腸腫瘍
,
腹腔鏡法
,
リンパ節郭清
,
Irinotecan
,
Oxaliplatin
,
内視鏡的粘膜切除術
Keyword:
Endoscopic Mucosal Resection
,
Antineoplastic Combined Chemotherapy Protocols
,
Colonoscopy
,
Hepatectomy
,
Lymph Node Excision
,
Laparoscopy
,
Digestive System Surgical Procedures
,
Surgical Staplers
,
Colorectal Neoplasms
,
Oxaliplatin
,
Irinotecan
pp.415-421
発行日 2007年4月1日
Published Date 2007/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2007206110
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最近の大腸癌の増加は著しく、大腸癌高頻度国に仲間入りした。これに対し、大腸癌治療の向上に向けて多大なる努力が行われた。免疫学的便潜血反応検査、電子内視鏡、腫瘍マーカーの導入や超音波検査、CT,MRIの機器の改良による大腸癌の早期診断と診断精度の向上、ポリペクトミー技術の向上と内視鏡的粘膜切除術(EMR)の導入、リンパ節郭清の概念と適切なリンパ節郭清の確立による予後の向上、自律神経温存術、器械吻合法、腹腔鏡手術などによる術後QOLの改善が図られ、かなりの成果を得ている。さらに、肝転移に対する積極的な外科治療も予後の向上に大きく貢献した。大腸癌化学療法も、新薬の登場にて急速な治療成績の改善が得られている。今後は、予後の改善としては外科治療や化学療法を含めての再発癌の治療が重要であり、手術治療では術後QOLの改善を目指していくべきと考える。
©Nankodo Co., Ltd., 2007