発行日 2007年3月1日
Published Date 2007/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2007150012
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2006年3月迄の胆石症に対する腹腔鏡下手術3256例中、開腹既往歴を有する症例で胆嚢摘出既往歴がある7例(男5例、女2例、61~80歳)を対象に総胆管結石に対する腹腔鏡下総胆管切石術について検討した。術中偶発症はなく、開腹移行は1例のみであった。手術時間は115~205分、出血量は30~100mlで、開腹移行症例を除く6例の平均手術時間は152.5分、平均出血量は60mlであった。結石は黒色石であった先天性胆管拡張症以外はビリルビンカルシウムであった。全例で総胆管にTチューブ留置後、右肝下面にペンローズドレーンを留置した。術後経過は開腹移行例のみ、嘔気のため経口摂取が術後3日間できなかった。腹腔鏡に施行しえた他の6例の術後疼痛は軽度で術翌日から経口摂取が可能であった。術後合併症は基礎疾患に糖尿病・脳梗塞をもつ1例で腹腔内膿瘍が生じたが保存的治療で治癒した。
©Nankodo Co., Ltd., 2007