発行日 2006年4月1日
Published Date 2006/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2006157643
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アルギン酸塩は創面に接触すると血液,体液を吸収してイオンの交換を行い,カルシウムイオンが毛細管内に拡散して止血作用が得られる.血液を吸収したアルギン酸塩はゲル化して,創面の湿潤環境を保ち,肉芽を形成を促し,最終的には組織に吸収されるので取り除く必要がなく,ガーゼ交換のための通院も開放される.ゲル化したアルギン酸はイオンの存在,浸透圧の関係で静菌作用が推測され,膿瘍腔に対する被覆材としての有用性が高いと考えられた.また,縫合後の創が離開した例や,肛門疾患,感染性粉瘤の切開後にも最適である.尚,アルギン酸製剤を膿瘍腔に充填式に使用された報告は少なく,検索した限りではガーゼとの比較をしたpilot studyが1例報告されていた
©Nankodo Co., Ltd., 2006