発行日 2005年1月1日
Published Date 2005/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2005090502
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46歳女.右季肋部痛を主訴とした.腹部超音波で胆嚢内腔にcomet-like echoを認め,肥厚した胆嚢壁内にmicro-cystic areaを認めた.CTでは胆嚢のほぼ全域で造影剤によってenhanceされる肥厚した胆嚢壁を認めた.MR胆管膵管造影で著しく肥厚した胆嚢壁を認めたが,膵管,胆管に異常はなかった.以上より,generalized typeの胆嚢adenomyomatosis(ADM)と診断し,腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行した.術中胆道造影検査で総胆管の拡張は認めなかったが,共通管は嚢腫状に拡張していた.胆嚢内胆汁中アミラーゼは上昇していたが,拡張した共通管は十二指腸壁内に位置し,膵管の共通管移行部は滑らかにtaperingして括約筋の作用が及んでいた.胆嚢結石は認めなかった.病理組織所見で,胆嚢壁内に増生・拡張したRokitanski-Aschoff-sinusの周囲に平滑筋と線維組織の増生を認めた.術後合併症なく退院し,経過観察中である.合流異常に胆嚢ADMが合併した既報告32例をまとめ,自験例と比較検討した
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