発行日 2004年7月1日
Published Date 2004/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2004272423
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
29歳女.動悸,甲状腺腫大,突眼,体重減少,下痢,多汗を主訴とした.26歳時,近医でBasedow病と診断され,抗甲状腺薬を投与された.薬疹出現のため1ヵ月で自己中止し,その後通院しなかった.著しい甲状腺機能亢進と,甲状腺刺激制抗体,ALP高値,骨密度の低値をを認めた.Ca,P,intact-PTHは正常であった.患者希望により甲状腺全摘術を施行し,術後2時間後から手指の痺れが出現した.4時間後には極めて強度のテタニー症状が認められた.この時点で血清補正Caは6.7mg/dlに低下しており,グルコン酸カルシウムの点滴静注を開始した.テタニー症状の軽減維持のために,大量のグルコン酸カルシウム投与が必要であった.術翌日から乳酸カルシウム,活性化ビタミンD3の経口投与に変更し,テタニー症状の消失が維持できた.術後1年の現在も活性化ビタミンDの内服を必要としている.術後のintact-PTH値は術前同様正常であった.術後早期から骨量の改善が認められた
©Nankodo Co., Ltd., 2004