発行日 2004年4月1日
Published Date 2004/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2004197363
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著者等が行っているガリウムによる転移リンパ節の同定法は,薬剤を静脈投与し血管を通して腫瘍に集積した薬剤のγ線量を測定することにより転移の有無を判定するものである.今回,ガリウムによるナビゲーション手術がどのような条件を解決すれば臨床応用可能となるかについて検討した.対象は18例の大腸進行癌で,リンパ節転移症例は10例であった.転移陽性リンパ節のγ線量は,転移陰性リンパ節より有意に高かった.γ線量の補正値は,転移陽性リンパ節では最低値は9,最高値は130,転移陰性リンパ節では各々1及び84であった.したがって,γ線量が9未満では全て転移陰性リンパ節であり,その数は全リンパ節334個中134個,85以上では全て転移陽性リンパ節であり,その数は全リンパ節334個中5個であり,139個のリンパ節については転移の有無が予測できた.微小転移陽性のリンパ節は6個であり,うちリンパ節転移陽性症例で微小転移がみられたリンパ節は1個,リンパ節転移陰性症例では5個であった
©Nankodo Co., Ltd., 2004