発行日 2003年11月1日
Published Date 2003/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2004089439
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血管内治療に起因し,外科的治療を行った医原性血管損傷の2例を経験した.症例1は75歳女.数十mの左下肢間欠破行が出現した.血管造影で,動脈全体に中等度の壁不整を認め,左総大腿動脈に90%の狭窄がみられた.PTAを施行した.4回目の拡張を行ったところ,突然,左下腿の疼痛・冷感・チアノーゼが生じ,急性動脈閉塞の診断にて緊急手術を施行した.外来で薬物療法を継続している.症例2は68歳男.血尿を指摘された.膀胱癌との診断を受けて動注化学療法を施行した.CT検査では腫瘍の縮小が認められたが,同時に左外腸骨動脈の閉塞もみられた.経尿道的腫瘍切除術を行った後に外科紹介となった.血管造影所見で,動脈全体に高度の壁不整がみられた.左外腸骨動脈は分枝部より閉塞し,側副血行路を介して総大腿動脈以下が描出されていた.手術を施行した.術後15日目に施行した血管造影検査ではグラフトの開存は良好であり,左側のAPIも改善し,間欠破行も消失した
©Nankodo Co., Ltd., 2003