発行日 2003年5月1日
Published Date 2003/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2003256671
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52歳男.間欠性跛行が出現し,血管造影で左右の内腸骨動脈は閉塞し,右外腸骨動脈に15mmの範囲で70%狭窄が認められた.右浅大腿動脈には虫食い像を認め,狭小化し閉塞していた.側副血行路を介して右膝窩動脈が造影され,下腿の3分枝は造影された.右外腸骨動脈狭窄に対してステント留置術を施行し,術後症状は改善した.抗凝血薬,抗血小板薬を使用し,禁煙を指導したが,本人は喫煙を続けた.1年後に間欠性跛行が再発し,血管造影ではステントは良好に造影されたが,直下の右外腸骨動脈に10mmの範囲で99%の狭小化が認められた.血栓内膜摘除術及び同部と膝上の膝窩動脈のバイパス術を施行した.グラフトは大伏在静脈をリバースして使用し,中枢側は狭窄部の内膜を除去した後,大伏在静脈を用いて静脈パッチを置き,グラフトを端側吻合した.摘除した内膜は石灰化を伴った粥腫の形成が認められた.術後血行は改善し,間欠性跛行も消失した
©Nankodo Co., Ltd., 2003