発行日 2002年7月1日
Published Date 2002/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2003005154
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61歳女.高血糖と肝機能障害がみられ,各検査から,総胆管結石症と診断してESTを施行した.その後,結石の除去を2回に渡り試みたが,結石を把持しえず不成功に終わった.急性胆管炎が軽快したためいったん内科に転科し,血糖コントロールが良好になり再び外科に転科した.前回のESTが小切開であったため乳頭切開を追加し,バスケット鉗子を胆管内に挿入して十二指腸内へ抜去してくると,不整顆粒状で易出血清の乳頭状腫瘤が露出した.この所見により結石と診断した胆管内の陰影は多発性の腫瘤であると考えた.親子式胆管内視鏡による胆管内腔の観察を行った.胆管内腔には粘膜表面を進展する乳頭状の腫瘍を確認でき,更に肝側胆管に進展している所見を得たが,進展範囲までは同定できなかった.以上より,表層拡大型の隆起型胆管癌と胆嚢腫瘍の診断で手術を施行した.胆嚢と胆管の癌は胆嚢管で連続性を欠いており,胆嚢癌はより高分化な所見であった
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