発行日 2001年3月1日
Published Date 2001/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2001192146
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66歳女.エタノール注入法により皮下に穿刺経路播種をきたした肝細胞癌を経験した.腹部CTで,肝外側区域の直上の腹壁内に径1.5cmの辺縁明瞭な腫瘤性病変が描出された.局所麻酔下に表面の癒着した皮膚と共に腫瘍を摘出した.腫瘤は径2×1.5cm,割面でHCCの穿刺経路播種が強く疑われた.索状ないし管状に腫瘍細胞が増殖しており,高分化型のHCCと診断された.肝および穿刺経路の再検査を施行したが,HCCに対するPEITを2度行っており,穿刺部位と皮下腫瘍部位が一致すること,単発であり他の肝外転移を認めないことより,2度目のPEIT時に肝細胞癌が皮下に穿刺経路播種をきたしたものと思われた.穿刺経路播種部にHCCが再発した為,再切除を施行した.又,肝内のHCCも再発した為transcatheter arterial embolizationを施行した.その後,肝硬変による肝不全で死亡した
©Nankodo Co., Ltd., 2001