発行日 2017年8月1日
Published Date 2017/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2017338846
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
20歳男。主訴は胸部異常陰影であった。胸部CTではTh10、Th11の左側傍脊椎に境界明瞭で辺縁整の長径3cmの腫瘤影を認めた。胸部造影MRIで腫瘤影はT2強調像で辺縁高信号・内部低信号であり、造影後に辺縁部は漸増性に強く濃染された。Adamkiewicz動脈は同定できず、その損傷などに伴う対麻痺を回避するため、経頭蓋的に運動誘発電位(MEP)モニタリング下に腫瘍摘出術を施行した。術中MEPモニタリングで異常所見は認めず、覚醒後に対麻痺のないことを確認した。腫瘍は病理組織学的にS-100蛋白陽性で柵状配列を示し、神経鞘腫の像であった。術後経過は良好で5日目に退院した。
©Nankodo Co., Ltd., 2017