低侵襲心臓・大血管手術
低侵襲僧帽弁手術導入初期51例の早期成績
片山 郁雄
1
,
田中 正史
,
野口 権一郎
,
山部 剛史
,
湯地 大輔
,
大城 規和
,
白水 御代
1湘南鎌倉総合病院 心臓血管外科
キーワード:
開胸術
,
術後合併症
,
僧帽弁
,
入院期間
,
膿胸
,
脳出血
,
リンパ系疾患
,
最小侵襲手術
,
静脈血栓症
,
人工弁置換術
,
僧帽弁形成術
,
手術時間
Keyword:
Length of Stay
,
Lymphatic Diseases
,
Mitral Valve
,
Postoperative Complications
,
Thoracotomy
,
Empyema, Pleural
,
Minimally Invasive Surgical Procedures
,
Heart Valve Prosthesis Implantation
,
Intracranial Hemorrhages
,
Venous Thrombosis
,
Mitral Valve Annuloplasty
,
Operative Time
pp.16-22
発行日 2015年1月1日
Published Date 2015/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2015137413
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
著者らの施設では、2013年より僧帽弁手術に対して、右小開胸アプローチによる低侵襲心臓手術(MICS)を積極的に行ってきた。今回、導入からの初期成績について検討した。対象は僧帽弁手術例85例中MICSを施行した51例(男性33例、女性18例で、平均64.0±12.2歳)とした。MICSの適応基準は合併手術や大動脈の性状が良好で、著しい呼吸機能低下などを認めない症例とし、認める症例については正中アプローチを行った。その結果、術中に正中アプローチに変更した症例は1例であった。弁形成術から弁置換術へのコンバージョン例は初期に2例経験した。術後合併症は再開胸2例、鼠径部リンパ漏4例、深部静脈血栓症1例、その他脳出血1例、膿胸1例を認めた。MICS-MVP例は術後1週間後の経胸壁エコーを行ったところ、moderate以上は認めなかった。また、術直後はtrivialであったが、術後3ヵ月後にはmildとなり、溶血が出現し、再手術となった1例を認めた。手術死亡はなく、病院死亡は1例であった。大動脈遮断時間については、MICS例で有意に長かった。手術時間および挿管時間については、MICS例と正中アプローチ間で有意差は認めなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2015