臨床経験
外科的治療を行った胸囲結核
鍵本 篤志
1
,
柴田 諭
1国立病院機構東広島医療センター 呼吸器外科
キーワード:
Ethambutol
,
Isoniazid
,
Pyrazinamide
,
Rifampicin
,
結核-胸膜
,
胸部CT
Keyword:
Ethambutol
,
Isoniazid
,
Rifampin
,
Pyrazinamide
,
Tuberculosis, Pleural
pp.422-425
発行日 2017年6月1日
Published Date 2017/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2017264347
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症例は76歳男性で、大腸癌術前検査のCTで胸壁~肝臓に腫瘤を認めた。CTガイド下穿刺で膿を認めた。抗酸菌培養検査で結核菌を同定し、胸囲結核と診断した。大腸癌に対してS状結腸切除術を施行後、イソニアジド(IMI)+リファンピシン(RFP)+エタンブトール(EB)+ピラジナミド(PZA)による治療を3ヵ月間行ったが、腫瘤は増大傾向であった。胸部CTでは、肝臓を圧排し、肋間を貫いて胸壁外に及ぶ膿瘍を認めた。3D再構成を行い、胸壁外の膿瘍辺縁と第7肋間を貫いている部位を確認した。INH+RFPによる治療を継続しながら手術を施行した。胸囲結核の術前診断で膿瘍摘出術を施行した。膿瘍壁の病理検査では乾酪性肉芽腫を認めた。術後11日目に皮下水腫を認め穿刺を行ったが、排液は漿液性であり経過観察とした。術後20日目に経過良好で退院した。術前と合わせて計6ヵ月間の抗結核薬による治療を行い、現在は無治療経過観察中で再発は認めていない。
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