発行日 2016年6月1日
Published Date 2016/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2016303759
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43歳男性。息切れ、胸の重苦感を主訴に近医を受診、左胸水と左胸腔内の腫瘤性病変を指摘され、精査加療目的で著者らの施設へ紹介となった。胸部CTでは前縦隔左側に均一に造影される60×40mm、辺縁平滑で境界明瞭な腫瘤陰影が認められた。生検の結果、悪性紡錘形細胞腫瘍を疑い、腫瘍摘出術を施行したところ、病理組織・免疫組織化学染色所見で滑膜肉腫が示唆された。以後、遺伝子解析の結果、SYT-SSXキメラ遺伝子が検出され、本症例は最終的に前縦隔に発生した単相型滑膜肉腫の診断に至った。
©Nankodo Co., Ltd., 2016