連載
症例をどうみるか 甲状腺癌の気管浸潤が疑われた気管癌の1例
杉木 司
1
,
野村 務
,
菊地 茂
1埼玉医科大学総合医療センター 耳鼻咽喉科
キーワード:
気管腫瘍
,
甲状腺腫瘍
,
甲状腺切除
,
鑑別診断
,
腺様嚢胞癌
,
X線CT
,
免疫組織化学
,
リンパ節切除
,
アジュバント放射線療法
Keyword:
Radiotherapy, Adjuvant
,
Diagnosis, Differential
,
Immunohistochemistry
,
Lymph Node Excision
,
Tracheal Neoplasms
,
Carcinoma, Adenoid Cystic
,
Thyroid Neoplasms
,
Thyroidectomy
,
Tomography, X-Ray Computed
pp.1387-1389
発行日 2019年9月1日
Published Date 2019/9/1
DOI https://doi.org/10.24479/J01814.2020050943
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53歳女性。喉の違和感を主訴に近医を受診し、CTにて声門下の腫瘍を指摘され、当院の呼吸器外科へはじめ紹介となった。だが、所見では腫瘍が甲状腺左葉に連続しており、甲状腺癌の気管浸潤が疑われ、耳鼻咽喉科へ紹介となった。喉頭内視鏡と気管支鏡では声門下に膜様部から隆起する腫瘍がみられ、CTでは気管後壁から甲状腺左葉に連続する腫瘍が確認された。だが、甲状腺癌と気管癌の鑑別は困難であった。そこで、呼吸器外科と耳鼻咽喉科で甲状腺峡部左葉と気管腫瘍切除、左気管傍郭清を行い、形成外科が膜様部再建と気管皮膚瘻形成術を行った。その結果、本症例は病理組織学的に気管原発の腺様嚢胞癌と診断され、術後は放射線治療の追加で再発は認めず、目下は気管孔閉鎖術を予定している。
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