胸壁・横隔膜の手術-その1 胸壁再建法
胸骨切除・再建術の検討
奥井 将之
1
,
河野 光智
,
重信 敬夫
,
羽藤 泰
,
神山 育男
,
後藤 太一郎
,
大塚 崇
,
堀之内 宏久
1慶応義塾大学 呼吸器外科
キーワード:
滑膜肉腫
,
胸骨
,
外科用メッシュ
,
甲状腺腫瘍
,
骨腫瘍
,
骨肉腫
,
骨板
,
皮膚腫瘍
,
卵管腫瘍
,
線維腫症-進行性
,
治療成績
,
皮膚線維肉腫
,
筋皮弁
,
胸骨形成術
,
筋弁
Keyword:
Bone Neoplasms
,
Bone Plates
,
Fallopian Tube Neoplasms
,
Skin Neoplasms
,
Surgical Mesh
,
Sternum
,
Osteosarcoma
,
Thyroid Neoplasms
,
Sarcoma, Synovial
,
Treatment Outcome
,
Fibromatosis, Aggressive
,
Dermatofibrosarcoma
,
Myocutaneous Flap
pp.38-43
発行日 2014年1月1日
Published Date 2014/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2014106927
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2010年7月~2012年9月の間に胸骨切除・胸壁再建を行った6例(男性2例、女性4例、年齢40~75歳、平均58.2±13.4歳)を対象に、再建方法について検討した。1)対象は全例が悪性腫瘍で、組織型は骨肉腫、滑膜肉腫、卵管癌胸骨転移、甲状腺癌胸骨転移、デスモイド腫瘍、隆起性皮膚線維肉腫が各1例であった。2)胸骨柄と体部切除は3例、体部切除は3例で、胸骨柄に発生した2例では両側鎖骨の合併部分切除を行い、原発性骨腫瘍4例に対しては皮膚を含め胸壁全層の切除が行われた。3)骨性胸郭の再建にはチタンプレート1本とチタンメッシュ使用が3例、チタンプレート1本とポリプロピレンメッシュ使用が2例、チタンメッシュのみ使用1例であった。4)原発性骨腫瘍4例に対しては全周囲で十分な切除縁をとるため皮膚を含め胸壁全層の切除が行われた。手術時間は224~692分(平均501±195分)、出血量は70~362ml(平均187±121ml)であり、術後は全例で胸壁動揺は認めず、翌日までには人工呼吸器から離脱した。5)広背筋弁を用いて胸壁再建を行った1例で皮弁壊死が認められたが、早期に再度筋皮弁で再建し、その後は問題を認めていない。以上より、骨性胸郭の再建材料としてチタンプレートとチタンメッシュやポリプロピレンメッシュを組み合わせることで胸壁動揺、感染や再建材料の逸脱といった合併症を認めず良好な結果が得られた。
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