臨床と研究
Heparin起因性血小板減少症に対するargatrobanを使用した人工心肺管理
近藤 太一
1
,
廣田 真規
,
星野 丈二
,
深田 靖久
,
磯村 正
1葉山ハートセンター 心臓血管外科
キーワード:
Heparin
,
狭心症
,
血小板減少症
,
心筋症-拡張型
,
人工心肺
,
多剤併用療法
,
輸血
,
心筋虚血
,
全血凝固時間
,
周術期管理
,
Argatroban
,
開心術
,
非体外循環下冠状動脈バイパス術
,
静脈内注入
Keyword:
Angina Pectoris
,
Blood Transfusion
,
Cardiomyopathy, Dilated
,
Drug Therapy, Combination
,
Heparin
,
Heart-Lung Machine
,
Infusions, Intravenous
,
Thrombocytopenia
,
Whole Blood Coagulation Time
,
Myocardial Ischemia
,
Perioperative Care
,
Coronary Artery Bypass, Off-Pump
,
Argatroban
pp.366-369
発行日 2013年5月1日
Published Date 2013/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2013269695
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術前にHeparin起因性血小板減少症と診断された4例を対象にargatroban(A)を使用して開心術を行った。その結果、症例4のOPCAB例では目標の開胸後活性凝固時間(ACT)値を250秒に設定しAを投与したが、60分後にACT値209秒となり、120分でACT値220秒まで延長したもののその後30分で手術が終了したため、ACT値はそれ以上延長しなかった。他の3例(CABG、MVP、MVP+SAVE)は人工心肺を使用し、症例1はA投与後60分でACT値が目標に到達しなかったため、heparinを併用して手術を行った。また、症例2、3はA投与後60分でACT値が目標に到達したため、on-pumpが開始可能であったが、症例3は術中に人工肺の膜閉塞を合併したためAを追加で大量投与し、回路交換を行った。その後、ACT値は1201秒まで延長し、術中に赤血球・新鮮凍結血漿・血小板の大量輸血と長時間の止血を要した。症例3も術中に血小板数が著明に減少し、血小板の大量輸血を要した。
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