発行日 2014年3月10日
Published Date 2014/3/10
DOI https://doi.org/10.19020/J01864.2014160741
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70代女。吐血と透析中の呼吸苦を主訴とした。緊急内視鏡にて食道静脈瘤の破裂を認め、内視鏡的食道静脈瘤結紮術を8ヶ所行い止血した。入院時胸部X線で右優位の胸水を認め、CTでは胸水が下肺にのみ限局していた。入院後、内シャントを造設している左上肢および顔面の腫脹が徐々に増悪し、前胸部に静脈の怒張を認めた。上大静脈(VCS)症候群を疑い造影CTを行うと、VCSはポートの先端直下で完全閉塞しVCSより奇静脈を通して巨大な側副血行路が形成され右卵巣静脈を介して下大静脈へ流入していた。肺動静脈はともに右が優位に描出されたが左房・右室の拡大は認めなかった。経皮的VCS血栓除去を行った結果、上肢・顔面の浮腫は速やかに改善し、内視鏡検査にて食道静脈瘤の消失も確認できた。
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