発行日 2012年6月1日
Published Date 2012/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2012356913
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冠状動脈バイパス術(CABG)において、術中測定したグラフト血流量と中期開存性の相関について検討した。対象はCABG後2ヵ月~4年に、定期的経過観察や胸部症状等の理由で心臓カテーテル検査を行った24例(男15例、女9例、平均年齢71歳)とした。対象グラフトは内胸動脈21本(17例)、大伏在動脈24本(19例)で、内胸動脈グラフトの開存群は16本、閉塞群は5本であり、大伏在動脈グラフトの開存群は18本、閉塞群は6本であった。検討の結果、内胸動脈グラフトの術中血流量と中期開存性には相関関係を認めなかった。吻合した冠状動脈近位部の狭窄の程度が強いほど、術中グラフトの血流量が有意に多かったが、中期開存との相関は認めなかった。大伏在動脈グラフトの中期開存性は術中血流量との間に相関関係を認めた。また、大伏在動脈グラフトの中期開存が予測される血流量のカットオフ値は23ml/分であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2012