発行日 2011年7月1日
Published Date 2011/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2011292657
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
40歳代女。自閉症で学園へ入寮中で、降下性壊死性縦隔炎(DNM)に対し気管切開を含む治療を受け、気管切開チューブは抜去となった。しかし、その後気管狭窄による窒息状態で緊急気管切開が繰り返され、DNM発症2ヵ月後に当院紹介受診した。気管支鏡で気管切開口から約2cmに及ぶ全周性の気管狭窄を認め、特にチューブのカフの部位で強い肉芽形成を認めた。Dumonステントを考慮したが、迷入した場合に窒息が危惧され、また頸部固定では何でもいじってとってしまうため自己抜去の発見が遅れる可能性があった。安全に対応可能な方法としてシリコンTチューブを選択し、慎重な経過観察と職員への教育を行い、挿入後13日目に退院となった。退院後8日目にTチューブの自己抜去があったが、職員の理解が徹底していたため慌てることなく来院し、気管支鏡検査で全周性の肉芽を認め、再度挿入した。その後は1年ごとに外来でチューブ交換を行い、自己抜去なく3年経過している。
©Nankodo Co., Ltd., 2011