発行日 2008年12月1日
Published Date 2008/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2009042226
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生後14日女。生後2日より多呼吸、四肢冷感が出現し、チアノーゼ、呼吸状態悪化を来たして人工呼吸器管理となった。心臓超音波で大動脈弓離断症B型を認め、これに伴うductal shockと診断された。Alprostadil alfadexによる加療でいったん改善したが、生後12日に乏尿、心不全症状悪化が生じ、再度のductal shockで手術適応となった。胸部X線では心拡大、肺血管陰影の増強がみられ、心臓超音波では大動脈弓離断症の他、膜性部心室中隔欠損症(VSD)、心房中隔欠損症(ASD)を認めた。一期的根治術を選択し、動脈管組織を切除した後、上行大動脈と下行大動脈を直接縫合した。次いで右房を切開し、VSDパッチ閉鎖、ASD直接縫合閉鎖を行った。術中より無尿となり、右房へ直接カテーテルを挿入して持続的血液濾過透析を開始した。徐々に循環動態は安定し、腹膜透析に変更して術後18日目に終了、84日目に退院した。術後9ヵ月に吻合部での圧較差を認め、経皮的バルーン血管形成術を施行し、経過観察中である。
©Nankodo Co., Ltd., 2008