発行日 2005年3月1日
Published Date 2005/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2005108064
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
Brugada症候群は1992年の報告以来,臨床的検討や心筋チャネルレベル,遺伝子レベルの基礎研究により,この10年間で明らかにされた知見も多い.心停止既往群に対するICD(植込み型除細動器)の有用性や,ItoチャネルST異常によりST上昇が説明できることなどである.しかし,企業検診などで発見され,ほとんど症状を示さない無症候性Brugada症候群に対する対処法については,いまだコンセンサスが得られていない.その大きな要因として,欧米の報告でも意見が二分している電気生理検査での心室細動誘発性に対する解釈の問題がある.現在,わが国での無症候性Brugada症候群での前向き観察研究が進行しており,今後家族歴の有無や電気生理検査心室細動誘発性別に,無症候性Brugada症候群の予後やそれに対する治療法が判明してくるものと思われる
©Nankodo Co., Ltd., 2005