発行日 2005年2月1日
Published Date 2005/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2005166472
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異なる治療経過をたどった標記3例について報告した.症例1:女児.新生児期に肺血流量増加による心不全となり,生後2ヵ月時に総肺静脈還流異常(TAPVC)修復術と肺動脈絞扼術を同時施行した.術後経過と共に肺血量が増加し,術後7日に再度肺動脈絞扼術の実施となった.1歳半時に両方向性Glenn手術を施行,現在両大静脈肺動脈吻合(TCPC)待機中である.症例2:男児.肺動脈狭窄が軽度で肺血流量調節のための外科的治療は生下時から以降必要なく,7歳3ヵ月時にTAPVC修復術と両方向性Glenn手術を同時施行した.現在TCPC待機中である.症例3:女児.強度のチアノーゼのため日齢26に右Blalock-Taussigシャント変法(BTシャント)を施行したが成立せず,術中肉眼所見より肺リンパ管拡張症が疑われた.しかし,予想外の生命予後が得られ,8ヵ月時にTAPVC修復術および右BTシャントを,12ヵ月時に左BTシャントと右肺側副血管結紮術を施行した.現在外来にて経過観察中である
©Nankodo Co., Ltd., 2005