発行日 2001年5月1日
Published Date 2001/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2001270849
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症例は肥大型心筋症の52歳男で,息子が突然死したために心配となり精査目的で受診した.経胸壁心エコーにて,心室中隔膜様部に心室中隔欠損(VSD)の自然閉鎖と思われる右室に突出する心室瘤を認め,その内部に浮遊する血栓を認めた.心エコーの翌日,左背部の激痛が出現し,泌尿器科にて尿管結石と診断され消炎鎮痛薬の投与を受けて症状は改善した.2週間後に経食道エコーを施行したところ,心室瘤内部の血栓が認められなかった.そのため,左背部痛は心室内の血栓が末梢に飛んだために生じた血流障害による塞栓症状であると考えられ,warfarinの投与を開始した.腹部造影CTでは腎梗塞後と思われる所見が認められた.その後,腎機能の悪化はなかった
©Nankodo Co., Ltd., 2001