発行日 2005年2月1日
Published Date 2005/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2005166469
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1991年9月~2002年6月に経験した胸腺癌5例と胸腺腫6例について検討を行った.胸腺癌は,正岡の臨床病期でIII期3例,II期とIVa期各1例で,病理組織学的にbasaloid carcinomaが2例,epidermoid non-keratinizing carcinoma,undifferentiated cell carcinoma,sarcomatoid carcinomaが各1例であった.4例に手術を施行,腫瘍を完全切除できた症例は長期生存を示した.免疫組織染色は,basaloid carcinomaでbcl-2,p53,ki-67の染色程度は低く,epidermoid non-keratinizing carcinoma,undifferentiated cell carcinomaはいずれも強く染色された.胸腺腫は全例臨床病期I期で,病理組織所見はWHO分類でtypeABが2例,typeA,B1,B2,B3が各1例ずつであった.4例に胸腺胸腺腫摘出術,2例に拡大胸腺胸腺腫摘出術を施行し,5例が術後生存を示した.ki-67染色指数は重症筋無力症を合併したtypeB3で17%,赤芽球癆を合併したtypeABで8.5%を示す他はほぼ染色されず,bcl-2,p53は全例で染色されなかった
©Nankodo Co., Ltd., 2005