特集 SASP:古くて新しい細胞老化随伴分泌現象
呼吸器疾患におけるSASPの役割
荒屋 潤
1
,
桑野 和善
1東京慈恵会医科大学 呼吸器内科
キーワード:
DNA損傷
,
シグナルトランスダクション
,
加齢
,
危険因子
,
気道疾患
,
アポトーシス
,
細胞老化
,
Cyclin-Dependent Kinase Inhibitor p21
,
肺疾患-慢性閉塞性
,
肺線維症-特発性
,
分子標的治療
Keyword:
Aging
,
DNA Damage
,
Risk Factors
,
Respiratory Tract Diseases
,
Signal Transduction
,
Apoptosis
,
Cellular Senescence
,
Pulmonary Disease, Chronic Obstructive
,
Cyclin-Dependent Kinase Inhibitor p21
,
Idiopathic Pulmonary Fibrosis
,
Molecular Targeted Therapy
pp.1146-1151
発行日 2015年11月22日
Published Date 2015/11/22
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加齢が発症危険因子の代表的な呼吸器疾患である慢性閉塞性肺疾患(COPD)と特発性肺線維症(IPF)の病態に,老化細胞の増加に伴う細胞老化随伴分泌現象(SASP)が関与すると考えられている.細胞老化には,DNA損傷により誘発されるDNA損傷応答(DDR)シグナルの持続的な活性化を必要とする細胞老化と,DDRシグナルとp53には依存せず,p21依存性の発生期のプログラムされた細胞老化が存在する.COPD病態にはDDRシグナル依存性の細胞老化が重要で,また,IPF病態には発生期のプログラムされた細胞老化に類似した細胞老化が関与する可能性を見いだしており,それぞれの病態におけるSASP因子の役割を含め詳述したい.
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