特集 生命システムのロバストネスとは何か?
【第1部】細胞レベルのロバストネス 細胞運動のゆらぎから探るロバストな細胞情報処理機構
高木 拓明
1
,
佐藤 雅之
,
上田 昌宏
1奈良県立医科大学 医学部物理学教室
キーワード:
Dictyostelium
,
シグナルトランスダクション
,
位相差顕微鏡検査法
,
細胞運動
,
電気
,
変異
,
生物モデル
,
コンピュータシミュレーション
,
統計的データ解釈
,
単一細胞解析
,
ゆらぎ
Keyword:
Data Interpretation, Statistical
,
Cell Movement
,
Computer Simulation
,
Dictyostelium
,
Electricity
,
Mutation
,
Microscopy, Phase-Contrast
,
Models, Biological
,
Signal Transduction
,
Single-Cell Analysis
pp.48-54
発行日 2013年12月22日
Published Date 2013/12/22
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細胞運動は細胞システムの統合された出力の1つとして捉えることが可能である.では環境に明示的な外部刺激が存在しない場合に起こるランダムな細胞運動(自発運動)には何か能動的な役割があるのであろうか.筆者らは細胞運動の1細胞計測によってそれを探る理論と実験の融合研究を実施した.細胞の自発的な運動様式の同定,細胞の走電性による入出力関係の同定,そして両者の定量的な関係の同定を進めた結果,細胞が運動のゆらぎを排除せず,むしろそれを積極的に取り入れることによってロバストな情報処理を実現している様子が明らかとなってきた.
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