特集 生命システムのロバストネスとは何か?
【第2部】個体レベルのロバストネス 免疫システムとロバストネス
秋山 泰身
1
,
小林 徹也
1東京大学医科学研究所 分子発癌分野
キーワード:
Interleukin-7
,
細胞計数
,
細胞分化
,
樹状細胞
,
ホメオスタシス
,
免疫系
,
免疫系疾患
,
理論モデル
,
T細胞
,
抗原提示
,
細胞増殖
,
獲得免疫
Keyword:
Cell Count
,
Cell Differentiation
,
Dendritic Cells
,
Immune System
,
Homeostasis
,
Immune System Diseases
,
Models, Theoretical
,
T-Lymphocytes
,
Interleukin-7
,
Antigen Presentation
,
Cell Proliferation
,
Adaptive Immunity
pp.55-60
発行日 2013年12月22日
Published Date 2013/12/22
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免疫システムは強力な個体の防御機構である.一方,その制御の破綻は自己免疫疾患,慢性炎症,免疫不全などの様々な疾患と関連する.したがって,免疫システムが必要十分な強度で持続して機能し続けるため,多くのロバストな制御機構が存在するはずである.病原体などの抗原を認識したT細胞は増殖・分化することで免疫応答を誘導するが,その増殖や活性は様々な機構で巧妙に制御される.本稿は,免疫応答時にT細胞数の増加を一過性にするための機構および外的要因などでT細胞数が減少した際に増殖を促進する機構に関して,in vivo実験と数理モデルを組み合わせて解析した研究に着目し,T細胞数の維持システムにおけるロバストネスを考察する.
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