特集 動く細胞・群れる細胞:発生・免疫・がんにおける「個」から「集団」レベルの細胞動態を追う
【第2部】細胞外環境 動く大脳新皮質ニューロンの移動終点におけるリーリンの機能
仲嶋 一範
1
1慶応義塾大学 医学部解剖学教室
キーワード:
Fibronectins
,
Integrins
,
シグナルトランスダクション
,
細胞運動
,
細胞接着
,
ニューロン
,
新皮質
,
神経発生
,
Reelin Protein
,
Vertebrate Disabled Protein 1
,
N-Cadherins
Keyword:
Cell Adhesion
,
Cell Movement
,
Fibronectins
,
Neurons
,
Signal Transduction
,
Integrins
,
Neocortex
,
Neurogenesis
,
CDH2 Protein, Human
,
Reelin Protein
,
Dab1 Protein, Mouse
pp.618-622
発行日 2014年5月22日
Published Date 2014/5/22
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リーリンは発生期大脳皮質において脳表面の辺縁帯で多く分泌される.辺縁帯に移動ニューロンの先導突起が到達してリーリンがその受容体に結合すると,細胞内経路を介してインテグリンが活性化され,辺縁帯のフィブロネクチンとの結合が強まる.そして,N-カドヘリンとネクチン-アファディン系との協同作業によって移動の最終ステップ(ターミナル/細胞体トランスロケーション)が誘導されると考えられる.また,リーリンは受容体の下流因子であるDab1の分解を促進することにより,細胞体の適切な移動停止にも関わると考えられている.さらに,リーリンはニューロンの誕生時期に依存したインサイド-アウト様式の細胞凝集を異所的にも誘導できることが判明した.
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