特集 がんにおける代謝リプログラミング:低酸素・低栄養環境で増殖するための戦略
造血幹細胞における代謝制御
中原 史雄
1
,
伊藤 圭介
1米国
1Departments of Cell Biology/Stem Cell Institute and Medicine, Albert Einstein College of Medicine
キーワード:
シグナルトランスダクション
,
解糖
,
疾患モデル(動物)
,
腫瘍幹細胞
,
造血幹細胞
,
代謝
,
白血病-前骨髄球性
,
ノックアウトマウス
,
PPAR Delta
,
非対称細胞分裂
,
Promyelocytic Leukemia Protein
,
ベータ酸化
Keyword:
Promyelocytic Leukemia Protein
,
Disease Models, Animal
,
Glycolysis
,
Hematopoietic Stem Cells
,
Metabolism
,
Leukemia, Promyelocytic, Acute
,
Neoplastic Stem Cells
,
Signal Transduction
,
Mice, Knockout
,
PPAR delta
,
Asymmetric Cell Division
pp.167-171
発行日 2014年1月22日
Published Date 2014/1/22
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近年,幹細胞機能における代謝制御の重要性が注目されるようになった.造血幹細胞では低酸素下での糖代謝がエネルギー源の中心と考えられ,研究が進められてきた.筆者らは固形がんの腫瘍抑制に関与しているPMLタンパク質が正常造血幹細胞および白血病幹細胞の維持に重要な働きをしていることを最近報告したが,このPMLの下流では脂肪酸酸化(FAO)経路が存在し,造血幹細胞の非対称分裂を誘導することにより造血幹細胞の維持に寄与していることを見いだした.このことは正常造血幹細胞を用いた治療への新しい知見となるだけでなく,白血病幹細胞を標的とした治療につながる可能性を示唆している.
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