特集 ターゲット・オブ・mTOR:明らかになるmTORの標的分子と生理機能
mTORによる幹細胞制御
平尾 敦
1
1金沢大学がん進展制御研究所
キーワード:
シグナルトランスダクション
,
幹細胞
,
腫瘍幹細胞
,
造血幹細胞
,
白血病
,
細胞老化
,
ノックアウトマウス
,
PTEN Phosphatase
,
カロリー制限
,
AMP-Activated Protein Kinases
,
TOR Serine-Threonine Kinases
,
STK11 Protein
,
自己複製
,
多分化能
,
Mechanistic Target of Rapamycin Complex 2
,
Mechanistic Target of Rapamycin Complex 1
Keyword:
Mechanistic Target of Rapamycin Complex 1
,
Mechanistic Target of Rapamycin Complex 2
,
Hematopoietic Stem Cells
,
Leukemia
,
Stem Cells
,
Neoplastic Stem Cells
,
Signal Transduction
,
Cellular Senescence
,
Mice, Knockout
,
Caloric Restriction
,
PTEN Phosphohydrolase
,
TOR Serine-Threonine Kinases
,
AMP-Activated Protein Kinases
,
STK11 Protein, Human
pp.1325-1329
発行日 2012年11月22日
Published Date 2012/11/22
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幹細胞の最も重要なミッションは,長期的な組織恒常性の維持である.幹細胞が個体の一生という長期にわたり,細胞の供給源として機能するためには,未分化性を保つ特殊な仕組みが必要であると考えられる.最近,mTORの活性制御が幹細胞の運命決定に重要な役割を果たすことがわかってきた.mTORは,様々な栄養を感知するセンサーとして機能することから,幹細胞制御における栄養環境の重要性が示唆される.このことは,カロリー制限による幹細胞寿命や幹細胞のエイジング制御の観点からも興味深い.さらに,発がんメカニズム,がん治療という点でも注目されている.今後,mTORの幹細胞制御の全容が明らかになることで,再生医療,幹細胞エイジング,がん治療という領域の進歩につながることが期待される.
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