特集 Wnt協奏曲:新たな活性化機構と他の増殖・分化シグナルとの協調による形態形成
(第1部)Wntシグナル活性化の新機軸 極性化上皮細胞におけるWntの分泌制御
山本 英樹
1
,
菊池 章
1大阪大学 大学院医学系研究科分子病態生化学
キーワード:
Clathrin
,
翻訳後タンパク質プロセシング
,
細胞外排出作用
,
上皮細胞
,
炭水化物配列
,
細胞極性
,
アダプタータンパク質複合体1
,
アダプタータンパク質複合体2
,
Wntシグナルトランスダクション
,
Wnt3A Protein
,
Wnt11 Protein
Keyword:
Carbohydrate Sequence
,
Clathrin
,
Exocytosis
,
Epithelial Cells
,
Protein Processing, Post-Translational
,
Cell Polarity
,
Adaptor Protein Complex 1
,
Adaptor Protein Complex 2
,
Wnt3A Protein
,
Wnt Signaling Pathway
,
Wnt11 Protein, Human
pp.388-395
発行日 2013年3月22日
Published Date 2013/3/22
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分泌タンパク質のWntは小胞体やゴルジ体において糖鎖や脂質の翻訳後修飾を受けた後,生理活性を有するWntとして細胞外に分泌される.また,Wntは線維芽細胞などの間質細胞に加えて上皮細胞に発現している.極性化された上皮細胞においてWntが頂端部,側底部に選別輸送されると考えられるが,その詳細は不明である.最近,質量分析法によりWntタンパク質の糖鎖や脂質の翻訳後修飾を解析することにより,Wntの細胞外分泌や機能発現の制御機構が解明されつつある.本稿では極性化された上皮細胞においてWnt3aとWnt11の糖鎖構造の違いがいかにして極性分泌を制御するのか,その分子機構を概説する.
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