特集 Wnt協奏曲:新たな活性化機構と他の増殖・分化シグナルとの協調による形態形成
(第2部)Wntシグナルと幹細胞からの組織形態形成 Wnt5aによる大腸陰窩の再生機構
三好 弘之
1
1米国
1Washington University School of Medicine
キーワード:
Transforming Growth Factor Beta
,
幹細胞
,
大腸疾患
,
再生
,
疾患モデル(動物)
,
大腸
,
間質細胞
,
ノックアウトマウス
,
細胞増殖
,
Wntシグナルトランスダクション
,
細胞微小環境
,
Wnt-5a Protein
,
腸陰窩
Keyword:
Wnt-5a Protein
,
Disease Models, Animal
,
Intestinal Mucosa
,
Intestine, Large
,
Stem Cells
,
Regeneration
,
Transforming Growth Factor beta
,
Stromal Cells
,
Mice, Knockout
,
Cell Proliferation
,
Wnt Signaling Pathway
,
Cellular Microenvironment
pp.425-429
発行日 2013年3月22日
Published Date 2013/3/22
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上皮組織の損傷修復において,間質細胞が構成する微小環境は上皮の形態形成を制御する重要な要素である.筆者らはマウス大腸粘膜を部分的に除去する生検傷害モデルを用いて,大腸独特の上皮構造である陰窩が再生する機構を解明した.傷害後の修復過程では,隣接する陰窩が傷の内部に向かって伸長することにより上皮幹細胞が供給され,さらに非古典的Wnt の1つであるWnt5aを発現する間質細胞が上皮幹細胞の増殖を局所的に抑制することによって陰窩の構造が再構築された.Wnt5aは幹細胞の過剰な増殖を抑え,上皮組織の恒常性を回復するための微小環境を構成していると考えられる.
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