特集 IL-20以降の新しいインターロイキンの機能と関連疾患
IL-31と疾患
南部 あや
1
,
中江 進
1東京大学医科学研究所システム疾患モデル研究センター システムズバイオロジー研究分野
キーワード:
シグナルトランスダクション
,
気道過敏症
,
疾患
,
疾患モデル(動物)
,
腸炎
,
変異
,
皮膚炎
,
肥満細胞
,
T細胞サブセット
,
Th1細胞
,
Th2細胞
,
ノックアウトマウス
,
遺伝子座
,
Th17細胞
,
Interleukin 31
,
Interleukin 31 Receptor A
Keyword:
Dermatitis
,
Disease Models, Animal
,
Enterocolitis
,
Disease
,
Mast Cells
,
Mutation
,
Respiratory Hypersensitivity
,
Signal Transduction
,
T-Lymphocyte Subsets
,
Mice, Knockout
,
Th1 Cells
,
Th2 Cells
,
Genetic Loci
,
Th17 Cells
,
IL31 Protein, Human
,
IL31RA Protein, Human
pp.787-791
発行日 2012年6月22日
Published Date 2012/6/22
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主にTh2細胞から分泌されるIL-31は,IL-6サイトカインファミリーの一員であり,アトピー性皮膚炎,掻痒症,気管支炎・肺炎および寄生虫性腸炎といったTh2型免疫応答や疾患の発症に関与していることが明らかとなってきている.IL-31の生理作用の特徴として,Th2細胞から分泌されたIL-31は,Th2細胞自身の機能を抑制する作用が挙げられる.このようなTh2細胞に対する負のフィードバックループの役割だけでなく,IL-31はTh1細胞の活性化を促進するのに対してTh17細胞の活性化を抑制することが示唆されている.したがって,IL-31は様々な免疫応答や疾患の発症および病態の形成に影響を及ぼすことが示唆されるものの,その詳細な機能についてはいまだ不明な点が多く,今後,解明されるべき課題の多いサイトカインの1つでもある.
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